R&B/SOUL
<CONTENTS>


ATLANTIC
Stax、Motownと並んで60年代R&B/Soulシーンを語るときには、絶対に外すことの出来ないのがこのAtlantic。R&BからSoulへと移り行く50年代から既に名門レーベルとして繁栄していたが、さらに60年代のAtlanticは破竹の勢いでヒットを飛ばしていきました。Staxを傘下にしてからは、サザンソウルの傑作を次々と飛ばしていき、70年代にもニューソウルやフィリーソウル等、新しい風も吹いて常にR&B/Soulシーンを引っ張っていきました。しかしながらLed Zeppelinとの契約等、次第にAtlanticはソウル・レーベルではなく、ロック・レーベルへと移ってゆく事になります。

STAX/VOLT 
Stax/Voltというレーベルは黒人音楽の発展において非常に重要な位置を占めていました。デトロイトのモータウンが白人をマーケットの対象に入れていたのに対し、スタックスは常に"本物の"ソウルを世に送り出してきた。アトランティックの傘下にあったときは、アトランティックのミュージシャンがスタックスのスタジオで録音するという"スタックス詣で"をしてたくらいです。スタックスサウンドと呼ばれるその硬質なサウンドが支える骨太なグルーヴ感はワン・アンド・オンリーのもので、特に初期スタックスに至っては名曲・名作が多いので、是非もっと多くの人に聴いてもらいたいです。

MOTOWN 
Berry Gordyがデトロイトに設立したレーベルがモータウン。デトロイトといえば、自動車産業で有名な町で、モーター・タウンだからモータウン。所属アーティストの音楽性の高さもさることながら、何よりもモータウンを支えたのはLamont Dozier、Brian Holland、Eddie Hollandによるソングライターチームでしょう。とにかくキャッチーな楽曲で一度聴いたら耳から離れないメロディーの数々。黒人のみならず、むしろ白人マーケットで広く受け入れられたのは人種差別がまかり通っていた当時としては画期的でした。やがて70年代を迎えるにあたり、各アーティスト達が自立していき、モータウンは一つの時代を終えることになります。ここでは最もモータウンが華やかだった60年代を中心に紹介していきます。

CHESS/CHECKER
普通チェスレーベルといえばまず思い浮かぶのが、ブルースでしょう。しかし、そんなブルース専門レーベルだったチェスも、60年代に入るとブルース以外にもR&B色の強い作品をリリースするようになりました。そんな中にはモータウンの影響を受けたノーザンフレイバー溢れる優れた作品も少なくなく、要チェックと言えるでしょう。

SUE/SYMBOL
Sueというレーベルをあなたはご存知でしょうか?モッズに関わるR&Bをチェックしていくと、モータウンと並んで何かと話題に上がるのがこのSueである。Sueというレーベルはモータウンの様に多くのヒット曲がある訳でもなく、活動期間も10年そこそこと決して長くも無い。しかし、Sueに残された作品は特にイギリスにて当時のモッズ達から支持された。しかし、イギリスでいうSueはアイランドがライセンスをアメリカから借りて運営していたもので、Sue以外の作品もリリースしていたので注意しなくてはいけない。そんなマイナーレーベルだが残された作品はセンス、内容共に他のメジャーレーベルに匹敵するものなので、要チェックといえるでしょう。

INVICTUS/HOT WAX
70年代に素晴らしい作品を多く残した最後のノーザンソウル・レーベル、それがInvictus/Hot Waxレコ―ズです。このレーベルはMotownを離れたLamont Dozier、Brian Holland、Eddie Hollandによるソングライターチームが興したもので、ファンクの台頭によって勢いを失いつつあったノーザンソウルの命運を担っていた名門レーベル。これぞノーザンといった作品を70年代初頭に次々と放っていったが、74年ごろには急激にその勢いを失っていき、悲しいことに短命に終わってしまった。しかし、短い活動期間に出された作品群は名作揃いなので必聴です。

CHICAGO SOUL
いわゆるシカゴ・サウンドはミディアムテンポの曲調に特徴的なホーンを絡ませ、初期ソウルの行き詰まりを打開し、新たなダンス・サウンドとして都会的ななサウンドを確立しました。また巧みなコーラスワークも特徴の一つに挙げられます。デトロイトと地理的に近いという事もありMotownと共にノーザンソウルの隆盛の一翼を担っていきました。代表的なレーベルとしてはOkeh、Brunswick等が、代表ミュージシャンにはなんといってもCurtis Mayfieldが挙げられます。

NORTHERN SOUL
ノーザン・ソウル!! これほど定義が曖昧なジャンルも他にはないでしょう。ノーザン・ソウルのルーツは60年代中期のイギリス北部のマンチェスター周辺のムーブメントにあり、ジャンル、知名度に関わり無くクールに踊れるレコードをDJがクラブでプレイしたのがそもそもの始まり。DJ達がこぞって誰も知らないような踊れるネタを探していったのが、現在の無名ノーザン作品の再評価につながっているのです。ちょうど日本でブームとなったフリー・ソウルとスタンスは同じ。気持ちよく踊れればノーザン、ってことでイギリスでのノーザンの範囲はかなり広く、日本でのノーザンのイメージとは若干ずれてたりもします。まあ、細かいうんちくは抜きにして素直に楽しみましょう。

NEW ORLEANS
ニューオリンズR&Bという言葉にはちょっと馴染みが無い人も多いかもしれませんが、Jazz発祥の地であるこのニューオリンズという地はミシシッピ川のふもとにある町だからであろうか、様々な文化が融合した独自の文化圏が発達しており、それは音楽の面においてもニューオリンズR&Bというジャンルを確立させた程である。1度聴けば一発でそれとわかる特徴的なピアノラインや、シンコペイトするファンキーなドラムの演奏に合わせて歌われる陽気な楽曲の数々。私を含めそんなニューオリンズR&Bの虜になった人もたくさんいることでしょう。

SOUTHERN/DEEP SOUL
Southern/Deepソウルって一般的にはどうなんでしょうか?本当にソウル好きな人は好きなんでしょうが、ノーザンとかポップなのが好きな人は聴いてないような感じですかね。イメージがわかない人には、バラードを主体としたミディアム/スロー・ナンバーを血管が切れそうなほど熱唱してるやつと言えば分かりやすいでしょうか。一般にはAtlantic/Staxの諸作品がSouthern/Deepの代表格なんですが、それらは既に別項にて取り上げ済みなのでここではその他の作品を紹介します。カッコいいのでとりあえず聴いてみましょう。さあ黒汁全開の世界へ!!

FUNK/RARE GROOVE
60年代の終わりから70年代の初めにかけて、リズム革命とも言うべき出来事が起こりました。それがファンクの誕生です。黒人アーティストの権利も確立されつつあり、サウンド創りの面でも"自由"なスタイルで様々な音楽の要素を取り入れていきました。一般には「Sex Machine」に代表されるJames Brownのイメージが強いのですが、ファンクとはこれっていう基準もはっきりと決まっている訳でもなく、ジャンル分けするにも曖昧なものもたくさんあるので、私自身の独断と偏見で選んだものを紹介していきます。