AL GREEN / THE Hi SINGLES A's AND B's
2000/英DEMON/HEXD 52/2CD
Hiを代表するシンガーといえば、まず思い浮かぶのがAl Green。アルバムも多数残してますが、これは彼のシングルをCD2枚に集めた素晴らしいCD。ゴスペルを経たディープな一面も伺えますが、他のディープシンガーとは明らかに異なる魅力が彼にはあります。彼の甘い歌声に見事にマッチしたHiサウンドは正に奇跡に近いハマリ具合。バラードの迫力もさることながら、グルーヴィなサウンドもまた格別。80年には再びゴスペル界に転向し、そちらの評価も高いです。

ANN PEEBLES / THE COMPLETE ANN PEEBLES
            ON Hi RECORDS VOLUME 1 1969-1973
2003/英DEMON/HEXCD 55/2CD
Hiを代表する女性シンガーで、Hiには7枚ものアルバムを残しています。これはその内の最初の4枚とアルバム未収の曲から構成されています。Hiのリズム隊に支えられた重厚なディープソウルで、特にディスク2に収められた72年の『Straight From The Heart』と73年の『I Can't Stand The Rain』は彼女にとって絶頂期の作品で言葉にし難いディープな魅力が詰まってます。ジャンプもスローも軽くこなす緩急つけた演奏に絡む艶のあるボーカル。ディープソウルの基本。

ANN PEEBLES / THE COMPLETE ANN PEEBLES
            ON Hi RECORDS VOLUME 2 1974-1981
2003/英DEMON/HEXCD 56/2CD
コンプリート2CDの後編。Hi後期の3枚のアルバムとアルバム未収録曲。上記のと合わせてHi時代の全録音を聴く事が出来るという流石はソウル先進国の英国人の完璧な仕事ぶり。このHi後期はさして話題に上ることもありませんが、粘り気のあるHiサウンドをバックにディープに、そしてファンキーに歌い上げており一定の水準をクリアしております。お勧めするなら迷わず第1集の方をお勧めするんですが、第1集を入手するとやはり第2集も欲しくなるのが人の心情。

BOBY McCLURE & WILLIE CLAYTON / Same
1992/英DEMON/HIUKCD 134/CD
後にインディソウル界で名を馳せる2人のHiに残した全音源を纏めた編集盤CD。前者のBobby McClureはFontera Bassとのデュエットで少しは名が知れてるでしょうか。Sam Cookeフォロワーとしてゴスペルの世界からソウルへと入った経緯を背景に持ちますが、味わい深いディープな歌声がHiサウンドにマッチし充実した作品群となっている。後者のWillie Claytonもブルージーで格別の味があります。共にHiにはシングルしか残してないので本作はとてもありがたい作品。

DON BRYANT / THE COMPLETE DON BRYANT
2000/英DEMON/HEXD 50/2CD
60年代のHiが残した最大の遺産、それがDon Bryant。Al GreenやAnn Peebles等の影に隠れてしまい、見逃されがちな彼ですがそのディープな歌いまわしは一度聴いたら忘れがたい魅力があります。後にゴスペルに転向するブルージィな節回しに表現力の豊かさ。これは彼がHiに残した69年のアルバム『Precious Soul』にシングル、更にはデモをコンパイルした夢の様な2枚組全曲集。カバー曲も多数残していますが、オリジナルに負けない魅力があります。